看護の仕事において残業をなくす工夫

ついつい残業をしてしまう人にはひとつの特徴があります。それは、「人にお願いできないこと」「カラッと謝ることができないこと」の2点です。この点で、割り切って引き継いでしまう、謝ってさっさと帰ってしまうという態度は、非常に重要です。実際、全員がこの態度でいられれば、「自分だけ残業……」などと思うことがなくなり、意外とスッキリした職場になります。その成功例として、全員が時給や時間割で働くことを念頭に置くオランダの労働環境などは参考になるでしょう。事実、アンケートによるとオランダにおける仕事のストレス指数は先進国でも低いのです。日本人にはなぜこれができないのかを考えると、「同僚に悪い」「そもそもタイムテーブル内で終わるように仕事が組まれていない」という事情があります。しかし、ここで「頑張らなきゃ」「残業をなくす工夫をしなきゃ」と創意工夫して頑張ってしまうと、仕事がどんどんハードになるという悪循環に陥ってしまいます。

そういった事態に対抗する手段は、頑張りではなく、割り切りと図々しさです。円滑に仕事が進むような工夫をするという発想と正反対の発想をして戦う。これが日本でも屈指の過酷な業務である看護の体制の変え方です。仕事を素早くやれればやれるほど、その分仕事が増えるなんて、割に合わないですよね。看護師の仕事は人の命に関わる仕事ですが、そうであっても「自分の仕事はここまでだ」と主張する。これは看護師業務だけでなく、すべてのブラックワークに対する重要な対策なのです。